次に紹介する著書2編に学会賞が授与されました。
有馬斉『死ぬ権利はあるか―安楽死・尊厳死・自殺幇助の是非と命の価値』(春風社、2019年2月)
学会賞授賞理由
安楽死という、多くの人の関心を集めながらも用語や論拠が曖昧になり、とかく感情的な言説が飛び交いがちな問題につき、賛否両論の論拠を明晰に整理し、自身の見解も明晰な言葉で語っている。今後の研究での参照が必須となる、学術的水準の高い好著である。
竹之内裕文『死とともに生きることを学ぶ―死すべきものたちの哲学』(ポラーノ出版、2019年7月)
学会賞授賞理由
自身の経験と骨太な哲学的知識を密接に往還しつつ思索を重ねる姿を綴り、読む者を引き込みその思考を触発して止まない好著である。同様な方向性を持つ研究の模範ともなる水準の高さを示している。