次に紹介する著書1編に学会賞が授与されました。
宮坂道夫著『対話と承認のケア ― ナラティヴが生み出す世界』医学書院、2020 年
学会賞授賞理由
本書は、ナラティヴに関する多様な議論と実践を、歴史や哲学の議論を踏まえて、明快に論じられた好著である。「実在論」と「構築論」という切り口で独自の仕方で論点を整理され、ナラティヴがケアとして成⽴する根拠と対話実践への協働の姿勢が求められることを、説得性をもって論じられていた。著者が立てた仮説、そして問いに対して、各章で丁寧に応じられており、構成の一貫性、及び示唆に富んだ考察が高く評価された。