2000年度活動計画(案)
研究は本学会の主たる仕事といってよいと思いますが,それは年度大会と学会誌でなされています.しかし前者は学会長と大会長の 主要任務でもあります.また後者については編集委員会があります.したがって本委員会としては,長期的視野に立った年度大会の方向づけを考慮しつつも,独 自のプロジェクトを企画していくべきではないかと考えます.
そこで当面次の2本の柱を立てたいと思います.
(1) 生命倫理学: 資料集の作成
1.生命倫理学関係重要論文集の編集
生命倫理学は本学会の最大の柱といっいいほどです.それゆえ,本学会としても質の高い「生命倫理学事典」といったものの刊行を めざしたいものです.しかし,それは簡単ではありません.それを視野に入れつつも,まず,「生命倫理学重要論文集」を編集したいと考えます.これについて はすでに加藤・飯田編「バイオエシックスの基礎(1988年)があり,有益でしたが,抜け落ちたものもあります.その後の重要論文もあります.日本のもの も収録するとよいかもしれません.
2.生命倫理学関係の文書,宣言,法律,判例集の作成
欧米のこの種の文書が正確な邦訳で読めれば,非常に有益です.これまで星野一正教授らが努力してこられましたが,なんとか単行本にまとめることができたらと考えております.
(2) 医学哲学: その可能性の検討
1.医学哲学の遺産の検討
生命倫理学とともに,本学会の名称にも掲げられている医学哲学の可能性を探りたいと思います.手始めとして,我が国のオモダカやフランスのカンギレムの医学哲学をはじめ,医学哲学をうたっていなくとも医学哲学の基礎となりうる過去の哲学的遺産を検討します.
2.医学哲学の基礎としての医学史の見直し
医学哲学を構想するにあたって,医療人類学や医学史は重要です.医療人類学は最近脚光を浴びているのに,医学史のほうは今ひとつといった観があります.我が国でもかつてはかなりの関心がはらわれていた医学史を見直したいと考えています.
(3) 担当者
委員長:五十嵐靖彦委 員: 今井道夫,谷本光男,中里巧,三浦秀春,盛永審一郎,長岡成夫,山本達